[PR]今日のニュースは
「Infoseek モバイル」

Newschina LOGO

中国ニュース
2000/05/03
▽「略奪品競売」、2回目も中国関係者が落札
 日本の報道によると、アロー戦争(第2次アヘン戦争)当時の1860年に、英仏連合軍が北京の円明園から略奪したものとされる美術品の2回目の競売が2日、香港で行われた。米国の英系大手競売会社サザビーズが行ったこの日の競売では、2つの美術品が競りにかけられたが、いずれも中国本土の関係者とみられる人物が高値で落札。前回と同じくこれらの美術品は、中国本土に戻る形となったようだ。2日午後にサザビーズによって競売にかけられたのは、清朝・乾隆年間の壺(見積価格800万HKドル)とトラの頭の青銅像(同380万〜450万HKドル)。いずれも4月30日に同業の英クリスティーズが競売にかけた美術品と同じく、アロー戦争当時の1860年に、英仏連合軍が北京の円明園から略奪した美術品とされる。

 会場となったアドミラルティのアイランド・シャングリラには、4月30日と同じく急進政治組織「四五行動」の梁国雄氏や、民主党の曽健成氏などが押し掛け、「競売阻止!国宝を返せ」と抗議。抗議グループは人数が少なかったこともあり、ほとんどが警備陣の厚い壁に阻まれ、抗議文を手渡すにとどまった。しかし正装に身を固めた抗議メンバー1人は、会場への潜入に成功し、「国宝競売をやめよ」と大声で連呼。だが結局は警備員によって退場させられた。

 競売の結果、まず壺については「北京市文物局から委託を受けた」と称する人物が、1900万HKドルの高値で落札。またトラの頭の像は、外国人と中国人が争ったが、結局は中国人がこれも1400万HKドルの高値で競り落とした。この中国人は4月30日の競売で落札に成功したとされる元中国人民解放軍系企業、保利集団の関係者とみられている。

 2日の競売に先立ち、競売を激しく非難している中国国務院の国家文物局は、サザビーズとクリスティーズへの圧力を一段と強化。同局の関係者は1日、香港のマスコミに対し、両社への具体的な制裁の実施をにおわせていた。

 一方、香港特別行政区政府のトップスポークスマンである林瑞麟(スティーブン・ラム)行政長官事務室首席報道官は1日、記者団の質問に答える形で「(中国)中央政府が昨年調印したハーグ条約(武力衝突に際しての文化財の保護に関する条約)は、今年4月から香港でも発効した」とコメントした。しかし林・首席報道官は「この条約は外交権に属する」として、関連事務は全て中央政府の管轄範囲との見解を表明。香港基本法の規定により外交権がない香港政府はタッチできないとの姿勢を示した。同時に林・首席報道官は「競売問題で中央政府からは何の指示も受けていない」と強調した。

 ■中国政府関係者が香港政府批判

 こうした中、中国国家文物局のある責任者は1日、中国系香港紙『大公報』の取材に応じる形で、「個人的な見解」と断りながらも異例の香港(政府)批判を行った。この責任者は「中国が競売事件に対して今後どのような措置を取るかは、現在検討中だ」とした上で、「香港の文化財保護法令は不完全だ。これが原因で、香港は国際的な文化財違法取引の一大センターになってしまっている」とコメント。中国本土から略奪、あるいは密輸された美術品や骨董品の取引を徹底的に取り締まる法令の整備に着手していない香港政府に対し、暗に強い不満を表明した。

 香港政府に対する同じような不満は、香港地区選出の全国人民代表大会(全人代)代表や、中国人民政治協商会議(全国政協)の全国委員からも噴出。黄克立・全国政協常務委員は「『競売を阻止する法律がない』という香港政府の見解には若干の矛盾がある」と香港政府を批判した。譚恵珠(マリア・タム)全人代香港地区代表も「問題のカギは(略奪・密輸美術品の競売を取り締まる)法律がないことだ」と指摘。香港政府はこの手の法令制定を早急に検討すべきと主張した。鄭耀棠・全人代香港地区代表も、香港政府を「受動的。あるべき反応を全く見せていない」と非難している。

 ■香港政府からもついに批判の声

 こうした声を受け、行政会議召集人の梁振英氏は2日、「クリスティーズとサザビーズが、略奪された中国の国宝を香港で競売にかけたことは、中国人民に対する侮辱であり、香港の利益の侵害でもある」などと、香港政府関係者として初めて両社の競売を激しく非難した。しかし梁氏は同時に「改めて(略奪品競売禁止の)立法措置を講じる必要はない」とも語っている。

もどる