| 日本の報道によると、スイス・ローザンヌに本拠を置くビジネススクールである国際経営開発研究所(IMD)がまとめた恒例の国・地域別国際競争力調査で、香港の順位が大きく落ちたことが分かった。総合部門で昨年は7位だった香港は、今年は一気に14位に転落。とりわけ管理水準は5位から21位へと、際立った落ち込みを見せている。一方、「宿命のライバル」シンガポールは総合部門で昨年同様2位。格差が大きく開いた形だ。IMDの調査における香港の順位は昨年、98年の3位から7位に落ちたが、今年はそれよりさらにひどい転落をみせた。アジア太平洋地域のランキングでも、これまでシンガポールに次ぐ2位だったのに対し、オーストラリア(13位)の後塵を拝して3位となった。就労人口1人当たりの域内総生産(GDP)成長率が相対的に低くなったことが、順位が大きく下がった原因だ。
個別項目でみても多くの項目でランクが下がっている。特に管理水準は昨年は5位にあったが、今年は21位にまで落ちる惨状。また官民ともに振興に力が入るハイテク部門と関連する科学技術の部門でも、順位は22位から27位へと逆に下がった。国際化の部門でも5位から9位に転落。国際都市を自任する香港にとっては、イメージダウンにもなりかねないショッキングな結果と言える。
報告書は香港が大きく順位を下げたのに対し、シンガポールが2位を維持できたことについて論評を加えている。「(シンガポール、香港ともに)同じアジア通貨・金融危機の衝撃を受けながら、シンガポールは長期的な発展戦略を採用し、先進的なエレクトロニクス関連インフラを活用して、知識集約型経済を発展させてきた」とIMDはシンガポールを評価。逆に香港については「ビジネス活動を行うに当たっての信用が大きく傷つき、経済衰退を招いた」と厳しい評価を加えた。その上でIMDは「中国が開放政策を採っている下で、香港が競争力のランクを維持したいのであれば、競争戦略を考え直すべき」と断じている。
■香港政府は不満
香港特別行政区政府は18日現在、公式には「まだIMDから報告書を受け取っていないので、コメントできない」(金融事務局スポークスマン)との立場。ただ実際には、IMDの厳しい評価に釈然としないものを感じているようだ。18日付『星島日報』によると、ある香港政府高官は「異なる調査では異なる結果が出ている。ある特定のランキングの結果を受けて発展戦略を変えることはない」とコメント。別の高官は「IMDは調査に当たって、香港政府に何の接触もしなかった。香港政府から資料も収集していない」と述べ、IMDの調査は信頼性の上で問題ありとの見解を示した。
香港科技大学経済研究センターの雷鼎鳴(フランシス・ルイ)所長も「就労人口1人当たりのGDP成長率で競争力をみるのは適当ではない」とコメント。「香港で就労人口1人当たりのGDP成長率が落ちたのは、信用収縮で企業の投資が減ったことが主因。総合的な生産効率が落ちたとは言えない」との見解を示し、香港経済の競争力はシンガポールに決して劣っていないと強調した。
しかし同時に雷所長は「香港は科学技術投資が他の国・地域に比べて少なく、これが競争力低下を招いている」とのIMDの指摘には賛同。その証拠として、昨年の米マサチューセッツ工科大学(MIT)1校の研究開発費だけで、香港の全大学の研究開発費を合計した額の数十倍に達している事実を挙げた。

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