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中国ニュース
2000/04/19
▽法輪功事件1周年、政治闘争長期化も
 日本の報道によると、中国の気功集団「法輪功」メンバー一万人以上が中国の政治中枢である北京・中南海を包囲し、江沢民政権に衝撃を与えた事件から二十五日で一周年を迎える。中国政府は法輪功を「邪教」と見なして壊滅作戦を展開してきたが、「頑迷分子」は一掃できていない。一方、法輪功は国連人権委員会の場などで、当局による法輪功弾圧を人権侵害として国際社会に訴えている。この「政治闘争」(江沢民・国家主席)は長期化する気配だ。

 写真=練習に集中する香港の法輪功メンバーら(16日朝、ビクトリア公園で)

 ◆頑迷分子◆

 「迷信反対、科学信奉」――。北京の革命軍事博物館で三月末、法輪功批判展示会が開かれ、江主席が訪れた。会場には、精神異常で割腹自殺したと説明されるメンバーの写真も展示された。展示は事件一周年を前に、「前例ない規模の邪教」との闘争で「党が決定的勝利を収めた」ことを宣言するものだ。公式メディアは、メンバーの約98%が法輪功と決別したとする。

 しかし、組織は一掃されていない。

 国営新華社通信は十七日、「(法輪功創始者の)李洪志一味は、チベット独立、台湾独立、民主化活動分子を集め、(国連人権委での)米国の反中決議案に加担している」「天安門広場に十三日、百人余りの法輪功の頑迷分子が集結、香港の団体が『約二百人拘束』と北京の外国報道機関に即座に情報を流した」と法輪功を非難する論文を配信し、「頑迷分子」と海外の支援者らの結びつきに神経をとがらせた。

 北京の当局関係者は「国際的な支持勢力がある。撲滅は二、三年では足りない」とし、長期戦の構えを示している。

 ◆思想改造◆

 目下、四万〜八万人の「頑迷分子」の思想改造が、職場や大学の「政治学習班」で行われていると見られる。頑迷分子には「純粋培養でだまされやすく、エリート意識があり頑固」(当局関係者)な理工系高学歴者が多いという。知人や親族、識者による説得が繰り返されているという。

 裁判手続きが不要な「労働矯正」や「精神病院療養」も行われている模様だ。法輪功糾弾の先頭に立つ何・中国科学院理論物理研究員(72)は「政府の話に耳を貸さず李(指導者)だけを信じ、自分らを大衆より超越した存在だと考えている。衣食が、大衆労働で生産されていることをわからせる必要がある」と、労働矯正も治療との認識を示した。

 ◆中高年直視◆

 党は法輪功メンバーに中高年が多いことから、生活問題にも目を向け始めた。党中央精神文明建設指導委員会の李偉・弁公室副組長(42)によると、〈1〉科学技術普及〈2〉余暇・文芸〈3〉健康・スポーツ――の指導隊の配置を進める方針という。

 李副組長は「中高年女性は、文革で高等教育を受けられず、いち早く退職を強いられ時間を持て余していた。身体鍛練の参加者も多かった」と教訓を語り、社交ダンスや太極拳などレクリエーション環境整備の必要性を力説。李申・中国無神論学会秘書長(54)も、九〇年代後半に増加した一時帰休労働者と高齢者への政府の配慮欠如が組織拡大の下地と認めた。

 中国指導部が壊滅に躍起なのは、党や軍内に浸透し「天安門事件以来最大の政治事件」(共産党)を引き起こした組織が、海外反中勢力と結びつき、将来の党崩壊の火種になりかねない危機感を持つからだ。同時に撲滅キャンペーンを通して党内引き締めを進める意図も浮かび上がる。

         ◇

 ◆法輪功側も長期戦を覚悟◆

 【香港18日=末続哲也】「中国指導者は、政治目的を持たない法輪功を危険視し、深刻な人権侵害を続けている」。香港の法輪功団体「香港法輪仏学会」の責任者の一人、簡鴻章氏(48)はこう語る。法輪功の活動は「一国二制度」下の香港では認められているが、中国本土の「弾圧」が心配でならないという。

 法輪功がまとめた資料によると、中国当局が昨年七月に法輪功の摘発に乗り出してから現在までに、三万五千人以上が拘束された。うち三百人以上は懲役刑で服役し、五千人以上は労働矯正所に送り込まれた。また、百人以上が精神病院に強制入院させられた。拘束中の暴行による死亡者と拷問に耐えかねた自殺者は計十一人。拘束を免れても、法輪功に関係した理由で解雇されたり退学、共産党籍をはく奪されたメンバーが相次いでいるという。

 法輪功は「中国当局との話し合いを通じた解決」をめざし、本土ではこれまでに「延べ数百万人」(法輪功推計)が北京に行き、当局に「弾圧中止」を陳情した。ただ、法輪功は「中国は最高指導者の決定に基づいて法輪功を取り締まっている。すぐに方針を変えることはあり得ない」(簡氏)と、長期戦を覚悟している。

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