日本の報道によると、台湾の次期総統に野党・民進党の陳水扁氏が当選したのを受け、敗北した宋楚瑜・前台湾省長(無所属)が十九日、新政党の結成を宣言したことで、国民党は完全に分裂し、台湾は政界再編へと一気になだれこむ事態となった。国民党は同日、党主席の李登輝総統ら現指導部が敗北の責任を取って九月に一斉辞任することを決めた。同党と宋氏新党、民進党は政界再編と新政権作りを巡って激しいつばぜり合いを演じるのは確実で、陳水扁政権は予想通り、多難な船出となる。
宋楚瑜氏は元国民党の実力者。党秘書長、台湾省長などを歴任したが、李登輝総統と対立して無所属で出馬、約四百六十六万票の高得票で次点となった。宋氏は選挙中は「当選後も新政党を作る考えはない」としていたが、国民党の連戦・副総統を圧倒する大量得票で自信を深め、即座に政党を結成して国民党勢力を取り込み、政界再編の主導権を握る挙に出た。
宋氏新党は今回、宋氏とともに国民党を飛び出した立法委員(国会議員)、元閣僚、地方実力者らが中核となる。宋氏が九八年までの台湾省長時代に育てた「宋氏軍団」と呼ばれる人材が中心だ。宋氏と同じ外省人(大陸出身者)が主だが、本省人(台湾出身者)も多く、「第二の国民党」的な政党となる。
宋氏新党の勢力強化は即、国民党の弱体化を意味する。国民党は選挙中、宋氏支持に回った立法委員や党幹部に党籍取り消し処分を下して内部引き締めを図ったものの、最後まで「反乱」は続いた。党内には「隠れ宋氏支持者」も多いとされ、宋氏の宣言を受け、これら幹部たちが宋氏新党に加わる動きが加速しそう。
国民党が十九日、緊急招集した最高決定機関・中央常務委員会で、九月の臨時党大会で党主席を筆頭に副主席、秘書長、副秘書長ら現指導部全員の辞任を決定したのは、責任を明確にし指導部を刷新することで、党内の動揺を抑える狙いがある。現指導部は本体、来年夏までの任期だが、一年早く退くことになる。同時に、早急に党改造委員会を作り、全面改革に乗り出すことも決めた。
しかし、同党のホープの一人で、李総統と距離を置く馬英九・台北市長(外省人)が同日、中央常務委員の辞任を表明。「反李登輝」の動きも浮上し、党内の奪権闘争も始まりそうだ。また、今回、落選した連戦氏は党本部が宋氏落選に抗議する群衆に囲まれて中央常務委に出席できず、ファクスで中央常務委あてに党副主席辞任を伝えた。
陳氏は同日夕、国民党本部の抗議運動に、「各候補者はともに政局の安定、社会の秩序を守る責務がある」と鎮静化を呼びかけた。陳氏と民進党としては五月二十日の総統就任までにできるだけ安定した状況で新政権を発足させなければならない。政界の構図が一気に流動化したことで、早くも難しい対応を迫られている。

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